kindle端末が話題に上り、興味はあるが自分は本を読まないからなあ、と思った。


本を読まない人間である。

子供の頃は暇さえあれば本を読んでいた。
自他共に認める読書家だった、と言い切っても良い。
今思うと恐ろしいが、文庫本を読みながら下校することも多かった。
もちろん親や先生に注意されたが、素直に従った記憶はない。

時は00年代。中学校の図書室は、何故かライトノベルが揃っていた。
漫画が駄目でラノベが許される基準は当時から不思議だったが、あるものはありがたく読ませてもらった。
朝読時間後も本を引き出しに戻さなかったし、授業間の休みに本に没頭しすぎて移動教室に遅れかけることも何度かあった。

雲行きが怪しくなるのは高校から。
まず図書室のアクセスや本の揃いが悪く、あまり通わなかった。
休み時間に読書していたら、勉強しろと苦言を呈されたこともあった。
携帯電話の存在や、受験シーズンという時期も、向かい風だった。

受験から解放され、大学ではまた色々な本を読むつもりだったのだが、ここで急に読書の習慣が消え失せてしまった。
学部の関係もあり、最近読んだ本の話題になることも多かったが、その度に答えに窮するほどだった。
昔読んだ本ならいくらでも答えられるのにと歯がゆい思いをしたが、それでも読書の習慣は戻らなかった。

大学を出てからも変わらず、現在に至っている。
もちろんピンポイントで気になった本を読むことはあったが、年間に直すと0~1冊という有様である。


今思えば、僕は読書家ではなく、単なる娯楽好きでしかなかったのだと思う。
読書は学校で許された唯一の娯楽だった。
読書よりも優先できる娯楽が存在すれば、そちらに流れるのは当然だった。

ここ数日は久しぶりにラノベを読んでいるが、本を読むと他のことをする時間がなくなる。
数多くの娯楽が時間を奪い合う中で、読書にどこまで割けるかを考えると、やはり自分が読書家になる未来は見えない。
ただ、せっかく過去に持っていた趣味なので、尊重してあげたい気持ちもある。

もしもkindle端末を買ったなら、それが一つの分岐点になるかもしれない。
なんて、淡い期待のようなものを抱いている。